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クリストとジャンヌ=クロード
1958-2006展

会期 : 2006年10月29日(日) ― 2007年1月14日(日)
主催 : クリストとジャンヌ=クロード展実行委員会 札幌宮の森美術館
ゲスト・キュレイター : 柳正彦
後援 : 在札幌米国総領事館 北海道教育委員会 札幌市 札幌市教育委員会
Christo and Jeanne-Claude Works and Projects 1958-2006

本展ではクリスト氏直筆の展覧会タイトルや美術館のロゴが使われた

クリストとジャンヌ=クロード1958-2006展

特設

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ABOUT THE EXHIBITION

同展プレスリリースより
20年以上にも及ぶ交渉活動の末、昨年春、ニューヨークのセントラルパーク全域を使って実現したプロジェクト「ゲート、ニューヨーク市、セントラルパーク、1979-2006 (TheGates,Central Park, New York City 1979-2005)」は、わずか2週間という短期間に400万人以上もの観客を集めるという大成功をおさめました。同時にこの作品は、世界中の美術ファンに、現代美術の世界でも最もユニークな活動を続けるこのアーティストの健在ぶりを知らしめ、さらに彼らの創造する「美」がもっている、見る者、体験する者を巻き込んでしまう力強いパワーを再認識させるものでした。
日本では本当に久し振りとなる今回の来日講演、そして「クリストとジャンヌ=クロード1958-2006」展は、四半世紀以上に亘り彼らと共に仕事を続け、多くのプロジェクトにスタッフとして係わってきた、ニューヨーク在住の美術評論家、柳正彦氏をゲスト・キュレイターに招き、アーティスト本人の全面的な協力の下に実現したものです。


「1958-2006」というタイトルが示すように、今回の展示には、故国ブルガリアからチェコ、オーストリアを経てパリへと亡命を果たしたクリストが、包まれたオブジェやパッケージといった作品の制作を始めた、まさに、その年の制作になる重要な作品が含まれています。 「包まれた缶と、瓶 1958-1959 (Wrapped Cans and a Bottle 1958-1959)」というタイトルが付けられた、彼らのアートの出発点とも呼べるこの作品は、キャンバス布で包まれた缶が2個、黒いラッカーで塗られた缶が2個、それに顔料が入った瓶が1本、合計5個のオブジェによって構成される作品です。(これらは長くクリストとジャンヌ=クロードの自宅に飾られてきた、彼らにとっても特別な思い入れのある作品です。)
この他、「パッケージ」、「包まれた雑誌」といった、日本では殆ど実物を見る機会のない60年代、70年代に制作されたオブジェ作品も展示が予定されています。また、63年にニューヨークに移り住んだ頃から集中的に制作された、ストアフロントのドローイングやマルチプル作品も含まれています。ショーウィンドウのガラス面を布や紙で遮蔽するこのシリーズは、後のヴァレー・カーテンやランニング・フェンスへと繋がっていく重要なものです。
これら、初期の作品群は、クリストとジャンヌ=クロードの創造の歴史の出発点を紹介することになりますが、しかし、クリストの創作活動はスタジオ(アトリエ)という狭く、限定された空間の中だけにとどまることはありませんでした。生活の面でもパートナーとなったジャンヌ=クロードと出会って共同制作を開始し、屋外の日常空間の中に創作の場を広げていったのは、1961年頃のことです。それが、やがて、現代美術の世界で確固たる地位を彼らに与えることになったのは言うまでもありません。


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1961年、ケルンでの「埠頭のパッケージ(Dockside Package)」、62年、パリでの「ドラム缶の壁、鉄のカーテン (Wall of Oil Barrels ? Iron Curtain)」によってスタートした彼らのプロジェクト、すなわち、屋外での、一時的な、芸術作品(outdoor, temporary, work of art)は、60年代末からさまざまに展開し、アメリカ国内だけでなく、オーストラリア、ドイツ、フランス、日本などで実現されてきました。
しかし、通常は2週間、例外的なものでも数ヶ月間だけしか存在しないこれらのプロジェクトを実際に目にし、体験出来たのは、アートファンの中でも、限られたラッキーな人たちだけです。(68年には、スイスのベルン市とイタリアのスポレット市でほぼ同時期に別々のプロジェクトが実現したため、ベルンにいたクリストはスポレットのプロジェクトを見ることなく終わり、またスポレットのジャンヌ=クロードは、ベルンを見ることはなかったということです。)
そのため、今、私たちが出来るのは、プロジェクトの構想段階でクリストが描いたドローイング類と、実現したプロジェクトを捉えた写真などの記録画像を通しての疑似体験しかありません。今回の展示では、包まれた公共建物のプロジェクトとしては最初に実現した、

「包まれたベルン市立美術館、1968 (Wrapped Kunsthalle, Bern, 1968)」から、
「包まれたシカゴ現代美術館、1969 (Museum of Contemporary Art, Chicago, Wrapped, 1969)」
「包まれた海岸線、オーストラリア、シドニー郊外、リトル湾、1969 (Wrapped Coast, Little Bay, Australia, 1969)」
「ヴァレー・カーテン、コロラド州、ライフル、1970-72)(Valley Curtain, Rifle, Colorado, 1970-1972)」
「ランニング・フェンス、カリフォルニア州、ソノマとマリン郡、1972-1976 (Running Fence, Sonoma and Marin Counties, California, 1972-1976)」
「囲まれた島々、フロリダ州、マイアミ、ビスケーン湾、1980-1983 (Surrounded Islands, Biscayne Bay, Greater Miami, Florida, 1980-1983)」
「アンブレラ、日本-アメリカ合衆国、1984-1991 (The Umbrellas, Japan - U.S.A., 1984-1991)」
「包まれたライヒスターク、ベルリン、1971-1995 (Wrapped Reichstag, Berlin, 1974-1995)」
そして「ゲート、ニューヨーク市、セントラルパーク、1979-2006 (The Gates, Central Park, New York City,1979-2006)」まで、クリストとジャンヌ=クロードの主要なプロジェクトを、クリストによるオリジナル・ドローイング作品やコラージュ作品、彼らの専属写真家であるウルフガング・フォルツ他の撮影による写真作品によって展覧いたします。

小学校に入学する前から美術専門の家庭教師から絵を習い始め、ブルガリアでのアカデミックな美術教育で修得した技術をつかって、人々の想像を超えるプロジェクトのアイデアを具現化したクリストのドローイング作品群は、プロジェクトの構想図であると同時に独立した作品でもあります。その卓越した描写力は多くの美術ファンを唸らせることになることでしょう。
また、クリストとジャンヌ=クロードが現在取り組んでいる、最新プロジェクト、「オーバー・ザ・リバー、コロラド州、アーカンサス川のプロジェクト(Over the River, Project for Arkansas River, State of Colorado)」も、今年に入って描かれた最新のドローイング作品他を展示、さらに、構想され、交渉活動も開始されたものの実現には至らなかった《包まれたニューヨーク近代美術館》など、多くのプロジェクトの中から幾つかを選び、プリント作品を中心に展示の予定です。

クリストとジャンヌ=クロード公式サイト http://christojeanneclaude.net/


※写真上より
© Christo,1972, photo: F.Boesch
© Christo,1976, photo: Wolfgang Volz
© Christo,1983, photo: Wolfgang Volz
© Christo,1985, photo: Wolfgang Volz
© Christo,1991, photo: Wolfgang Volz
© Christo,1991, photo: Wolfgang Volz
© Christo and Jeanne-Claude,2005 photo: Wolfgang Volz

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