スキャン・ドゥ・スキャン

阿部典英/柿﨑煕/伊藤隆介
スキャン・ドゥ・スキャン 2007

会期 : 2007年10月16日(火) ― 12月16日(金)


ABOUT THE EXHIBITION

札幌宮の森美術館では初めてとなる北海道作家の展覧会が、10月16日(火)にスタートした。タイトルが示すように、道内アーティストに焦点を当てる連続企画の第一回となる本展。今回スキャニングされるのは、木や金属を使ったユニークな立体造形で独自の世界を展開する阿部典英、木の葉のように浮遊する形態が、静謐な空間を表出する柿崎煕、それにヴィデオ・インスタレーションで虚と実のヴァーチャル世界を構築する伊藤隆介の三人。
各々が三つの展示空間の一室を担当、企画、構成を自ら手がける。独自の表現で国内だけでなく海外でも活躍中のアーティスト三人、札幌宮の森美術館で「スキャニング」された彼等のイマにご注目いただきたい。会期中、三人それぞれのワークショップを開催予定。

scan [skan] vt. (-nn-)
1.…を細かにみる。じろじろ見る 2.…を精細に調査する(scrutinize) 3.〔テレビ〕〔画像〕を走査する


(C)MIMAS

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阿部典英(あべ・てんえい)
1939年 札幌市生まれ
洞爺村国際彫刻ビエンナーレ2007での受賞(小田讓賞)も記憶に新しい阿部典英は1939年札幌市生まれ。59年から61年にかけ、全道展(札幌)、行動展(東京)、シェル美術展(東京)と立て続けに受賞、鮮烈なデビューを飾ります。以来今日に至るまで、つねに北海道を代表するアーティストのひとりとして、その溢れる実験精神と旺盛な創作意欲で次々と話題作を発表、80年代から手がける木彫の作品では、黒鉛を塗られ鈍い光を放つ独特のフォルムや、鮮やかな色彩に満ちたレリーフ状の作品群など、「オヨメサン」「ネェダンナサン」といった意表をついたタイトルとともに、見る者に強烈なインパクトを与えてきました。本展では「船」をテーマに、スケールも素材もかつてないという新作を発表、初めてとなる家具製作にもチャレンジしています。


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柿﨑煕

柿﨑煕(かきざき・ひろし)
1946年 留萌市生まれ
柿﨑煕は1946年留萌市生まれ。60年代には「閉塞状況の中の『生』」をテーマに油彩画を描いていましたが、70年代に入って立体造形に移行、この頃から自然への関心を強め、小樽港や豊平河畔といった野外でのインスタレーションでは、連結された丸太や布の袋が波や風に微かに揺れ、自然の微細な変化、ゆらぎを感知させるものでした。本展で展示される「林縁から」は90年代から始まった、柿﨑の代表作とも言うべきシリーズで、長年バードウォッチングや自然観察を続けてきたアーティストが「森に触発されながら『生』を問う作業」と語る意欲作です。近作に見られる、木の葉や種子を思わせる造形が、壁面を飛翔し漂うように配された緻密な構成が生み出す静謐な空間。今回どのような形で私たちの前に展開されるのでしょうか。ご期待下さい。


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伊藤隆介

伊藤隆介(いとう・りゅうすけ)
1963年 札幌市生まれ
三作家中最も若い伊藤隆介は1963年札幌市生まれ。東京造形芸術大学在学中より村雨ケンジ名義でコミック、アニメ評論など多数を執筆、その世界ではつとに知られた存在でした。その後シカゴ美術館付属美術大学大学院で映像と現代美術について学び、アメリカでアートフィルム(実験映画)の制作発表を始めます。その作品は、ブラックマライヤ映画祭(米ニュージャージー州立大学)、イメージフォーラム・フェスティバル(横浜)などで受賞、96年からはいよいよ国内での作品発表を開始します。実験映画は、ひと言で言えば「ストーリーに依存しない映像と音響による表現」です。近年の伊藤は、フィルムを使用した映画のほかに、特撮的な映像とその実物であるミニアチュールをリアルタイムに展示する映像インスタレーションなども発表、映像の媒介としての物質性、伝達メディアとしてのビデオの特性などをテーマに、映画祭、展覧会、批評活動など国内外で活躍、今最も注目される映像作家のひとりです。